上司の機嫌が悪いと私なんかしたかな…?って気にしちゃう
誰かが怒られていると、自分まで怒られているみたいに感じるんだ
自分でも無意識のうちに、周囲の人の感情に敏感に反応してしまうときはありませんか?
HSPは相手の表情や声のトーンなどから、その人の感情を察することが得意です。
意識していなくても、相手の感情を自然に読み取ってしまいます。
HSPは「感受性が高い」という性質があるのよ
だから周囲の人々の機嫌や感情に振り回されてしまうのね
私自身も相手のちょっとした言動が気になり、考えてしまうことが多くありました。
永遠に答えの出ない、モヤモヤループを駆け巡っていたのです。
そして、どんどん妄想が膨らみ、勝手にネガティブになっていました。
そんなとき、見方を少し変えることで
落ち込むということがだんだん少なくなっていくのを感じました。
そこで、この記事では「気にしすぎる」ときの具体的な対処法をご紹介します。
「気にしない」ということではなく、具体的な対処法を知ることで
自分らしくありのまま生きられるようになります。
「気にしすぎる」理由
HSPとは?
生まれつき感受性が高く、外部の刺激に対して非常に敏感に反応する人々をHSP(Highly Sensitive Person/ハイリー・センシティブ・パーソン)と言います。
HSPは、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、約5人1人はHSPと考えられています。
生まれもって「繊細」な性質ということなのよ
もしかして自分はHSPかも…?と思った方は
アーロン博士のHSPチェックテストを受けてみるのをおすすめします。
感受性が高いという性質
HSPは相手の表情や声のトーン、発した言葉などを繊細にキャッチします。
そのキャッチした情報から相手がどのような意味や感情を含んでいるのかを深く読み取ります。
HSPは周りが気づかないような些細なことにも敏感に反応し、相手の感情を察知するのです。
一方で、HSPは微妙な変化を自然とキャッチしてしまうので、見逃すことができません。
自分で気にしないようにと思っていても、それができないのです。
そして、キャッチした情報から相手の気持ちを理解しようと過度に考え込んでしまいます。
HSPは相手の気持ちを敏感に感じ取る能力が高い反面、自分自身の感情をコントロールするのは得意ではありません。
ネガティブな状況から抜け出せず、HSPの特性をうまく活かせないことで心の負担やストレスが増えていってしまいます。
「気にしすぎ」のリスク
相手の機嫌や感情に敏感に反応してしまうことは、多くのHSPが抱える悩みの1つです。
そして、その度合いが強くなると心身の健康や幸福にも影響を及ぼす可能性があります。
このように「気にしすぎる」ことで、自分の内面だけでなく、日常生活や人間関係にも支障が出でくるかもしれません。
ありのままの自分でいるためにも、自分の心の声と向き合い、適切な対処法を身につけていくことが大切です。
最初は難しいかもしれませんが、小さな積み重ねが自分らしく生きる道につながっていきます。
具体的な対処法
客観的に捉える
上司の機嫌が悪い原因は自分にあるのでは?と考えてしまうなやみ子さん。
HSPは相手の機嫌が悪いときにまず、自分のせいではないかと考えてしまうことが多いです。
そんなときの考え方について説明していきます。
私の仕事が遅いせいで上司はイライラしているんだ…
HSPは自分に対する責任を過度に感じやすく、自分の行動や能力不足が原因だと考えてしまいがちです。
自分の責任だと決めつける前に、上司がイライラしている理由を客観的に捉えてみましょう。
上司は仕事がスムーズに進んでいなくてイライラしているんだ…
客観的に捉えると、上司が怒っているのは自分の要求や願望に応えてもらえていないからだと考えることができます。
つまり、上司の怒りは自分に対するものではなく、要求に応えてもらえないことに対する怒りに変わります。
このように自分の考えを客観的に見つめ直すことで、気にしすぎる傾向を抑えることができるようになります。
自分の責任だと考える前に、相手の感情を客観的に捉えてみる
HSPは相手の感情に気づくと、なんとかしなければと感じてしまうからです。
しかし、不機嫌な相手に対応する際には、次の3つのポイントに注意が必要です。
- 相手の機嫌に合わせて頑張っても、相手の機嫌がよくなるとは限りません。自分だけの行動が原因ではなく、他の要因や状況も影響している可能性があるからです。
例えば、上司がイライラしている原因は仕事上ではなく、家庭にあるとします。
この場合、いくらなやみ子さんが早く仕事を終わらせようと頑張ったとしても、上司のイライラはなくなりません。
- HSPは自分の頑張りに対して責任を感じ過ぎる傾向があります。それによって、自己肯定感が低下し、過度なストレスを抱え込むことにつながります。
例えば、なやみ子さんは仕事を早くこなせるようにと努力しましたが、その目標を達成できなかったとき、自己評価が低下していきました。
上司を助けようとしたことが、自分へのストレスにつながってしまったのです。
- 上司の要求に応えることは一時的には相手の機嫌をよくするかもしれませんが、相手が自分に依存するようになってしまう可能性があります。
例えば、なやみ子さんは頑張って上司の要求に応えていった結果、上司はなやみ子さんに依存し、自分がやりたくない面倒な仕事を割り当てるようになります。
さらに、ストレスやイライラを感じているときに八つ当たりされることも考えられます。
相手の要求に応えていると、相手はどんどん自分に寄りかかってくるのです。
相手の機嫌は、相手自身でコントロールする必要があるのよね
私たちは相手の機嫌を直接的に変えることはできません。
相手の機嫌や感情に振り回されないために、放っておくというこもときには必要なのです。
ここでは、度を越した罪悪感を手放す方法について説明していきます。
罪悪感とは、自分のせいで何かネガティブなことが起こったときに生まれる感情です。
罪悪感には2種類あり、現実的な罪悪感と度を越した罪悪感があります。
現実的な罪悪感:自分の実際の行動や選択に対して正当な責任を感じることです。
例えば、恋人に対して嘘をついたときや道路で交通ルールを守らずに事故を起こしたときなどに現れる感情です。
度を越した罪悪感:自分ではどうしようもできない出来事や問題に対して、過度な責任を感じることです。
例えば、ほかの人の問題や困難に対して責任を感じたり、自然災害などの予測不能な出来事に対して自分が原因だと感じてしまうこと。
現実的な罪悪感は、社会的なルールや道徳に則った行動を促し、自己改善につながるポジティブな役割を果たします。
しかし、度を越した罪悪感は自己評価を下げ、自己肯定感を減少させます。
適切な範囲で責任を受け止めることは大切ですが、自分がコントロールできないことに関しては過度に責任を感じる必要はありません。
もし、それでも自分の責任だと感じてしまうときには罪悪感の度合いを調べてみましょう。
友達との旅行だったのに風邪をひいたせいで中止になってしまったナヤミオさんの場合
旅行が中止になった原因 | 原因の影響力の大きさを%で表す |
⚫︎ 自分(風邪をひいた) | 30% |
⚫︎ 仕事(仕事が忙しくて疲れていた) | 20% |
⚫︎ 環境(ウイルス性感染症が流行っていた) | 50% |
このように数値化することで、自分だけのせいではないと客観的に分かります。
本来追うべき以上の罪悪感を抱えこまない
この前LINEの返事をしなかったから?
彼氏のお菓子を食べちゃったから?
そんなふうに自分の行動や言動に対して過度に理由をつけて、気にしてしまうことが多くあります。
こんなモヤモヤな状況なときは、自分の推測が当たっているかを確認することが効果的な方法です。
怖いかもしれませんが、聞くことができる相手ならば思い切って直接聞いてみましょう。
心配や不安が頭をよぎると、自分の考えが事実として受け入れられがちです。
しかし、実際には相手の意図や感情は複雑で、自分の推測が必ずしも当たっているとは限りません。
相手に直接聞いてみると、驚くほど違う事実が明らかになることも多いです。
思い切って「私のことなんか避けてる?」と彼氏に聞いてみたなやみ子さん。
すると、彼氏は
「実は…もうすぐなやみ子の誕生日だからサプライズしようと考えてたんだ。
だから、バレないようにしようしてたんだけど、逆に意識しすぎて気づかれちゃったな」
とのこと。
思ってもみない答えだったので、なやみ子さんはびっくり。
このように相手に直接聞くことで、誤解や勘違いを防ぎ、相手の本当の意図や感情を理解することができるのです。
HSPは察知できるのは「相手の感情」です。
そのため、「感情の理由」まではわからないことが多いのです。
自分の推測が当たっているか確認する
刺激から自分を守る
誰かが怒られている…自分まで怒られているみたいに感じるな
職場や会議などで雰囲気の悪さや緊張感を敏感に感じ取ってしまい、
その雰囲気に引き込まれてしまうことにお悩みのナヤミオさん。
雰囲気の悪さや緊張感を感じ取るのは、ネガティブな言葉が多かったり、上司の不満を抱いているような表情などを敏感に察知するから。
つまり、HSPは視覚や聴覚といった感覚を通じて外からの刺激をキャッチしています。
人間が外の情報を受け取るために持つ五つの感覚のことを五感と言います。
以下の五つが該当します。
- 視覚: 目を通して光や色などの情報を受け取り、周囲の物体や景色を認識します。
- 聴覚:耳を通して音や音楽などの情報を受け取り、周囲の音を聞き分けます。
- 触覚:肌を通して物体の形状、温度、質感などの情報を受け取ります。
- 味覚:口を通して食物の味や味覚を感じ、食べ物の味を認識します。
- 嗅覚:鼻を通して香りや匂いの情報を受け取り、周囲のにおいを嗅ぎ分けます。
これらの感覚を麻痺させることで痛みや辛さを感じにくくしているというHSPの方も多いです。
しかし、同時に喜びや美しさも感じづらくなってしまいます。
そこで、感覚を閉ざすことなく、外の刺激を物理的に防ぐ方法を紹介していきます。
まずは、上司の怒った表情や態度を受け取る視覚について。
人間は情報の約80%を視覚から受け取ります。
ほかの人と比べてもHSPは自分の関係ないものまで受け取りすぎています。
そこで例えば、メガネをかけるという方法があります。
メガネをかけることで必要以上に見えないようにすることができるのです。
次に、職場で上司の怒鳴り声や同僚のヒソヒソ話を受け取け取る聴覚について。
音に敏感なHSPは騒々しい環境でストレスを感じやすいですので、
聴覚を刺激から防ぐのは効果的です。
静かな会議室などを借りて仕事を進めたり、ノイズキャンセリングのイヤフォンを使って外部の騒音を遮断することで、視覚からの刺激を減らすことができます。
触感の場合は、肌によい素材の服を着て心地よく過ごせるようにする
嗅覚では、お気に入りの匂いの香水やハンドクリームで自分を包む
味覚では、辛いものや酸味など、刺激の強い食べ物を避ける
などが挙げられます。
さまざまな方法がありますので、自分に1番合う方法を見つけてみましょう。
どの感覚を防ぐのがよいか分からない方は、五感の中で自分が最も影響されていると感じる要素からはじめてみるのがよいかもしれません。
感覚を閉ざすのではなく、外の刺激を物理的に防ぐ
まとめ:気にしすぎるときの5つの対処法
「気にしすぎる」ときの具体的な対処法を5つご紹介しました。
② 不機嫌な人は放っておく
③ 本来追うべき以上の罪悪感を抱え込まない
④ 自分の推測が当たっているか確認する
⑤ 刺激から自分を守る
HSPは周囲の感情に敏感に反応し、相手の感情を意識しなくても察知してしまうもの。
そんなときは「気にしない」ことではなく、自分の心の声と向き合って対処していくことです。
最初は難しいかもしれませんが、小さな積み重ねが自分らしく生きる道につながります。